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ネコの甲状腺の話

 最近診る機会の増えた病気の一つにネコの「甲状腺機能亢進症」があります。

高齢の猫が、やたら良く食べるわりに痩せてきたり、
性格が変わって怒りやすくなったり、
下痢・嘔吐・便秘などの消化器症状が見られたり…

「年をとったせい」ですまされてしまうことも多いのですが、
甲状腺機能亢進症かもしれません。

甲状腺とは、ホルモン(体の機能を調節する物質)を分泌する器官で、
のどから首の気管に沿って位置しています。

甲状腺ホルモンは、全身の細胞に働きかけ、
代謝を活性化させる働きをもっています。
そのため、症状は多岐にわたり、
体重減少、多食、消化器症状(嘔吐・下痢・便秘)、
元気消失、過活動、性格の変化、頻脈(心拍数が多くなる)、
疲れやすい、呼吸が荒くなる、などなど…

すぐに命にかかわることは少ないのですが、
発見が遅れることが多いので、
たいていの場合ネコはかなり痩せて状態が悪くなっています。

人でも甲状腺の機能亢進症の患者さんはたくさんいらっしゃいます。
患者さんの話によると、動悸や息切れがひどく
イライラと落ち着かなくなるそうです。
ネコは自分で症状を訴えることはありませんが、
きっと同じようにつらい思いをしているのだろうと思います。

治療としては、甲状腺ホルモンの量を減らす薬を飲ませる内科療法や、
甲状腺自体を切除する外科療法が適応となります。

思い当る症状がある場合には早めに検査を受けることをお勧めします。


at 11:03, LinVet, 猫の病気解説

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