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最近多い?マンソン裂頭条虫

 ちょっと大きくなった子猫を保護していらっしゃる方が数件続きました。
外で生活していた猫は、寄生虫に感染していることが多いものです。

キモチ悪いお話が苦手な方は、記事の続きをお勧めしません…
猫に多い寄生虫としては、
ノミや回虫が一般的なのですが、
ここのところ、「マンソン裂頭条虫」という寄生虫が頻繁に検出されます。

マンソン裂頭条虫は、いわゆるサナダムシ(条虫)の仲間です。
成虫は犬や猫、タヌキ、キツネなどの小腸に寄生します。
大変大型になる虫で、長さが1-2mになることもあるようです。

病原性はさほど強くありませんが、特に子猫の場合には大量寄生で
下痢や成長不良を引き起こすことがあります。

マンソン裂頭条虫は不思議な生態をもっていて、
〕颪孵ってケンミジンコに寄生(幼虫)
▲吋鵐潺献鵐海らカエルに寄生(幼虫)
Gや犬がカエルを食べると感染して成虫になる→,
となります。
カエルを蛇が食べると幼虫のまま寄生します(待機宿主といいます)。
待機宿主の蛇を、猫が食べても感染が成立します。

桜区は田んぼが多くてカエルもたくさんいますので、
マンソン裂頭条虫が多いのだろうと思います。

マンソン裂頭条虫が感染しているかどうかは、検便で調べることができます。
大抵の場合、顕微鏡でちょっと見ただけですぐに見つけることができるくらい
大量の卵が便に混じって排泄されます。

検便で大量の卵を見る度に
「マンソン君は成虫になるまでの過程が複雑で無駄が多いに違いない」
と感じます。
やっと孵化してケンミジンコにたどり着いても、
その後都合よくカエルに食べられ、さらにカエルが犬猫に食べられるかどうかなんて
分からないですもんね。
回虫みたいに卵を食べたら直接感染する方が簡単な気がするのに、
なんでわざわざそんなに大変な発育の仕方をするのでしょうか?

しかしまあそんなわけでやっとたどり着いて成虫になったのですが、
駆虫薬をしっかり投薬して駆除させていただきます。

外出してカエルをお土産にもってくる猫ちゃんも要注意ですよ。
数年全く外出していない猫から検出されたこともあります(長生き!)

ちなみに人間も待機宿主になるので、カエルを生で食べないでくださいね。
人間の症状はマンソン孤虫症(コチュウショウ)といいます。
「間違って人間に食べられたおかげで成虫になれない孤独なマンソン君」といったところでしょうか…
寄生虫の一生にもいろんなストーリーがあるものです。

マンソン君(成虫)の写真はこちらですがキモチ悪いです。
ケンミジンコってなんだろ?と思ったらこちら
田んぼにも不思議な生き物がたくさんいるのですね〜。

at 09:42, LinVet, 猫の病気解説

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